この季節、日本ではどこからともなく、柑橘の花の得も言われぬ甘い香りが漂ってきます。ミカンやユズの花の香りです。
コートジボワールやマダガスカルが主要産地であるオレンジCitrus aurantium var.amara の木からは2種のエッセンシャルオイル-花からはネロリ、葉からはプチグレン(またはビターオレンジ・リーブスとも言う)-と、果皮からはエッセンスが得られます。
プチグレンの抽出部位は「葉」と表示されることが多いのですが、厳密に言うと、香しい花が咲き終わり、小さい緑色の実が付き始めた、若い小枝を水蒸気蒸留します。"プチグレン” とは「小さい実」という意味です。
ネロリの香りと比べると、華やかさはありませんが、ミカン畑を彷彿させるやさしい香りが特長で、アロマテラピーには欠かせないエッセンシャルオイルです。リラクセーションに最適ですし、また、皮脂の分泌を調節するので美容にも用いられます。
長い間、高貴な香りを有する花だけが、ネロリとして香水の原料にもてはやされてきましたが、18世紀、ある医師によってプチグレンの優れた鎮痙作用が発見されると、プチグレンのエッセンシャルオイルも認知されるようになりました。
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