ご存じの方もおられると思いますが、2017年にローズマリーの学名がRosmarinus officinalis L.からSalvia rosmarinus Schleidになりました。
Rosmarinus officinalis L.は1753年に植物学者リンネによって命名されました。当時は、植物を花や葉の形態や構造で分類していましたが、科学の進歩により、1998年にDNA解析による分子系統学に基づいたAPG分類体系が確立されました。
そして、2017年に発表された研究*によってローズマリーは、Rosmarinus(マンネンロウ)属ではなく、セージSalvia officinalis L.やクラリセージSalvia sclarea L.と同じSalvia(アキギリ)属に再分類されました。サルビア属ではなく、アキギリ属と呼ぶのは、属名の和名は国内種に基づいて名付けられるからだそうです。
新学名のSalvia rosmarinus Schleidは、Salvia officinalis L.(セージ)とRosmarinus officinalis L.(ローズマリー)を足して2で割ったような名称なので、紛らわしい感じがします。いまのままRosmarinus officinalis L.を使い続けたいと個人的には思いますが、時代の趨勢には抗えません。
Rosmarinus officinalis L.はシノニム(異名)として認められているので、今日でも使い続けられています。
Reference:
*Drew, B.T., J. Gonzalez-Gallegos, C.-L. Xiang, R. Kriebel, C. P.. Drummond, J. B. Walker and K. J. Sytsma (2017). “Salvia united: the greatest good for the greatest number.” Taxon 66 (1): 133-145.
コメントをお書きください