室温が下がる頃となり、水蒸気蒸留で抽出されたローズのエッセンシャルオイルが凝固しているのに気づきました。
ローズRosa damascenaの主要な成分はモノテルペン・アルコール類ですが、ステアロプテンと呼ばれるロウ成分が10~20%を占めています。
ステアロプテンは20℃以下になると結晶化するので、気温が下がるとローズのエッセンシャルオイルは混濁して固体になります。ボトルを手で温めると再び液化し、ドロッパーから滴下できるようになります。
ローズオットーとも呼ばれる水蒸気蒸留で抽出するローズのエッセンシャルオイルは、2段階に分けて蒸留が行われます。
最初は花を水蒸気蒸留します。そして、このときに得られた芳香蒸留水(フローラルウォーター)には多くの芳香分子が含まれているため、その芳香分子を抽出するために芳香蒸留水を蒸留します。つまり、ローズは2回の水蒸気蒸留で得られたエッセンシャルオイルを合わせたものです。
Rosa damascenaの収油率は約0.025~0.033%で、1gのローズのエッセンシャルオイルには約3,000~4,000個の花が必要です。
ステアロプテンは香りもない成分で、不要な存在かと思われがちですが、傷の治りを促す作用などもあり、ローズのエッセンシャルオイルにはなくてはならない成分です。また、水蒸気蒸留されたローズのエッセンシャルオイルである証しにもなっています。
コメントをお書きください