学名:Cananga odorata
科名:バンレイシ科
抽出部位:花
特性成分:ゲルマクレンD、リナロール、酢酸ゲラニルなど
イランイランはフィリピン原産の植物で、黄色く細長い花弁の、個性的な花を咲かせます。今日では熱帯雨林気候のレユニオン島、マダガスカル、コモロ諸島などにも生息しています。
フローラルでスパイシー、そして温かみがあり、華やかで魅惑的な香りがするこのエッセンシャルオイルは香料業界を魅了し、調香師にとても人気があります。1928年にココシャネルのボワ・デ・ジルBois des Ilesという香水で有名になりました。今日でも多くの香水にブレンドされています。
イランイランのエッセンシャルオイルは、約20時間かけて水蒸気蒸留されます。時間経過順にエクストラ(初留分)、Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ(中留分から後留分)に分けられます。エクストラは香りが強くて華やかなので、香水にはこの部分が用いられます。
一方、アロマテラピーでは、イランイランの成分を余すところなく使います。つまり、エクストラから後留分までを全て蒸留した“完全蒸留”のエッセンシャルオイルです。エクストラに比べるとやわらかい香りになります。エクストラのイランイランは苦手でも、完全蒸留のイランイランは好きという人も少なくありません。
完全蒸留のイランイランは、リラックスを目的とするローションやマッサージオイルなどにブレンドされることが多く、精神を安定させる働きがあると言われています。心身をリラックスさせて、血圧や心拍数を調節します*。
また、美容にも欠かせない成分が含まれているので、意外と用途の広いエッセンシャルオイルです。
温かみのあるエキゾチックな花の香りが特徴のエッセンシャルオイルです。心身をリラックスさせるだけでなく、美容にも欠かせません。芳香浴を行う場合は、柑橘系のエッセンシャルオイルをベースにしてブレンドすると、親しみやすくなります。
Reference:
* Tan, L.T.H., Lee, L.H., Yin, W.F., Chan, C.K., Kadir, H.A., Chan, K.G., and Goh, B.H. (2015). Traditional Uses, Phytochemistry, and Bioactivities of Cananga odorata (ylang-ylang). Evid Based Complement Alternat Med., doi: 10.1155/2015/896314.
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