ユーカリEucayptusには700以上の種があると言われていますが、アロマテラピーのエッセンシャルオイルを抽出する種はわずかです。一般的には、ユーカリと言えばユーカリグローブルス Eucalyptus globulus を指すようです。
主にオーストラリアに分布する大木です。葉にエッセンシャルオイルの成分が多く含まれています。エッセンシャルオイルは揮発性があるため、空気中に蒸散し、樹林帯が青っぽく見えるほどです。
グローブルス種に限ったことではありませんが、ユーカリは面白い植物で、山火事によって繁殖する(写真右下)という性質があります。
引火点の低いエッセンシャルオイルを多く含んでいますから、山火事になりやすい条件はそろっています。樹自体は焼け焦げて死んでしまいますが、高温にさらされた種を含む実(写真左下)がはじけて、土壌に蒔かれるという仕組みです。
成長が早いのでたちまち大きくなり、スムーズな世代交代を行って森の命をつないでいます。山火事がないと生き延びることのできない変わった植物です。先住民のアボリジニは傷を癒すのにこの葉を利用してきたと伝えられています。
ユーカリグローブルスは、 Eucalyptus radiata (ユーカリラジアタ)と同様に、1,8-シネオール(別名ユーカリプトール)を多く含みますが、グロブロールをはじめとするセスキテルペノール類も含み、少し癖のある芳香成分も入っているので独特の香りがします。この癖のある芳香成分は香料としては邪魔者ですが、アロマテラピーではとても有用で貴重な成分です。
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