包丁で指を切った時、傷口の消毒のためにティーツリーをまず塗ります。そしてさらにラベンダーを塗ると、ズキズキした痛みが嘘のように治まります。エッセンシャルオイルの鎮痛作用は経験的によく知られているところです。
侵害受容性疼痛(体の組織の損傷によって起こる痛み)に対してのアロマテラピーの有効性を検討した(12研究の結果を統合し、より高い見地から分析するメタアナリシス)結果、アロマテラピーには急性および慢性疼痛、炎症性疼痛などに効果があり、とりわけ術後の痛みと産婦人科領域の痛みに対して有用であることがわかりました。
ただし、神経障害性疼痛(例えば、 がんが神経に浸潤した痛み)や機能性疼痛(線維筋痛症など)についての研究は、研究デザインの不備などにより現時点では評価されていません。
しかし、どの研究でも副作用は報告されていないので、現在行われている標準的な疼痛管理に加えても安全であり、費用面でも安価だと論じています。
標準治療にアロマテラピーのケアを併用すると、より上手に疼痛コントールができる可能性のあることが示唆されています。
Reference:
Shaheen E. Lakhan, Heather Sheafer, and Deborah Tepper “The Effectiveness of Aromatherapy in Reducing Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis” Pain Research and Treatment, 2016(7):1-13
コメントをお書きください